大阪府高槻市の皮膚科・美容外科のまこと皮ふ科です。
阪急高槻市駅目の前、バス停目の前です。
さて、今日は美容外科の話題です。
顔のしわ治療の一つとして、自分の血液の血小板成分を用いた治療があります。
PRPというのですが、正式名称は「多血小板血漿」。
血小板が固まるって血の塊が傷口に乗っていると
傷の治りが良いという発見から、血小板血漿が傷を治す効果があるという
発見です。
そのPRPをしわ治療に用いようと考えた人が世界中にいたんです。
しかし単にPRPだけだとしわに対しての効果は限局的です。
じゃぁ医者はどうするかというと、他の治療と一緒にするんですね。
ボトックスや脂肪注入などと一緒に。
ここで問題なのがFGFという成分と一緒に使った歴史があるんです。
FGFは線維芽細胞増殖因子というのが正式名称で
日本で承認されている薬剤「フィブラストスプレー」というのがあります。
フィブラストスプレー自体は安全なもので、やけどの傷や褥瘡などに日常的に
皮膚科や形成外科、外科などでは使います。
そのフィブラストスプレーをPRPに混ぜるとどうなるか?
しこりができるんですよね。
FGFの濃度を低く設定すれば大丈夫という先生もいますし
積極的にPRP+FGFを使っている施設もあります。
でもね、一度できたしこりは治すのが難しいんです。
数年たってからしこりが出てきた症例も診たことがありますし
「FGFの注入治療は適正とは言えない」と美容医療診療指診でもそうなっています。
受けるか受けないかは患者さん本人の自由ですが
その前に、しこりのリスクなどをきちんと説明され理解されたうえで
受けることを勧めます。
当院では扱う予定はありません。
それを使わなくてもよくなる方法はたくさんありますからね。

