布団への掃除機がけの効果については、多くの専門機関や研究(西宮市が提唱した「西宮方式」や海外の臨床研究など)によって、「かける時間」と「頻度」が除去率に大きく影響することが報告されています。
特にアトピーやアレルギー症状の緩和を目的とする場合、以下のポイントが重要です。
1. 掃除機をかける時間と除去率の目安
報告されている最も効果的な指標は、**「1平方メートルあたり20秒〜30秒」**というゆっくりしたペースです。
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20秒の法則(西宮方式): 1平方メートル(シングル布団の約半分)を20秒かけてゆっくり動かすことで、表面付近のダニの死骸やフンなどのアレルゲンを効率よく除去できるとされています。
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「ゆっくり」が重要な理由: ダニは繊維にしがみつく性質があるため、素早く動かすと気流が繊維の奥まで届かず、表面のホコリしか取れません。
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時間の差による効果: ある調査では、20秒程度で表面のホコリの多くが回収されますが、それ以上長く1箇所に時間をかけるよりも、**「適切な時間を守り、表裏を網羅すること」**の方が全体的な除去量は増えるとされています。
2. 「頻度」による劇的な変化
単発で長時間かけるよりも、「毎日〜週に数回」の継続が重要であるというデータがあります。
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8週間の継続研究: 海外の研究報告(PubMed等)によると、8週間毎日マットレスに掃除機をかけた結果、ハウスダストの総量が約77.7%減少し、ダニアレルゲン(Der p 1 + Der f 1)は85.1%も減少したという結果が出ています。
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短期 vs 長期: 1日で10分かけるよりも、毎日2分ずつ継続するほうが、新しく発生するフンや剥がれ落ちた皮膚(ダニの餌)を効率的に除去でき、アレルゲン濃度を低い状態で安定させられます。
3. ホコリ・ダニ除去の「効率」を高める方法
報告や推奨されている効果的な手順は以下の通りです。
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叩かない: 布団を叩くと中のダニの死骸が粉砕され、細かな粒子となって表面に浮き出したり、舞い上がったりして逆効果になることが指摘されています。
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縦・横の十字がけ: 同じ場所を縦方向にゆっくり、次に横方向にゆっくりかけることで、繊維の隙間に入り込んだホコリを多角度から吸引できます。
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吸込仕事率100W以上: 専門書(『ダニ・カビ完全対策』など)の調査では、吸引力が100Wを下回ると除ダニ効果が著しく低下すると報告されています。
まとめ:最適な掃除機スケジュール
| 項目 | 推奨される内容 |
| 時間(面積あたり) | 1㎡につき20〜30秒(シングル1枚で片面約1分〜2分) |
| 動かすスピード | 「ゆっくり、じわじわ」(1往復に数秒かける) |
| 頻度 | 週1〜2回(重症な場合は毎日が理想的) |
| 重点ポイント | 縫い目、襟元、頭側(フケや皮脂が溜まりやすい場所) |
補足:生きたダニについて
掃除機は「死骸やフン(アレルゲン)」の除去には非常に有効ですが、「生きているダニ」を吸い出すのは困難(足でしがみつくため)という報告が多いです。
**「布団乾燥機(熱で殺す)→ 掃除機(死骸を吸う)」**という順番で行うのが、科学的に最も効率が良いとされています。

